豆腐を固めるのはにがりだけじゃない?凝固剤の違いを解説

ブログ

豆乳に「にがり」を入れて固めたものが豆腐になりますが、にがりだけが凝固剤ではありません。さらに、凝固剤によって、出来上がる豆腐の風味もまた違ってきます。ここでは、豆腐が固まる仕組みや凝固剤の種類、その違いなどを解説しましょう。

凝固剤とは

豆乳から豆腐になる過程において、ほとんどの場合「凝固剤」が使われます。凝固剤により大豆に含まれているたんぱく質成分が固まり、液体であった豆乳がだんだんと固形の豆腐になるのです。

凝固剤を使う際にもっとも大切なのは、凝固剤を投入するタイミングです。凝固剤を入れるとき、豆乳の温度が高すぎると固まりすぎてしまい、逆に低すぎるとうまく固まらずにゆるゆるの豆腐になってしまいます。

現在では、豆腐の製造機器の技術が上がり温度管理が容易になっていますが、昔は職人の勘と経験によって作られていました。また、もともと豆腐作りは海水そのものを凝固剤にする製法が用いられており、現在でも沖縄地方では海水を使った豆腐作りが各家庭に根付いているそうです。

豆腐用の凝固剤 4種類を紹介

豆腐の凝固剤で一番に思い浮かぶのは、「にがり」ではないでしょうか。実は、凝固剤にもいくつかの種類があり、食品衛生法で指定されている豆腐の凝固剤は、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸マグネシウムの5種類になります。にがりはこのなかの塩化マグネシウムにあたります。凝固剤のなかでもよく使用されるのが、次の4種類になります。

塩化マグネシウム

塩化マグネシウムはにがりの主な成分で、海水などから取ることができます。そもそも「にがり」とは、海水から塩を取り除く際にできる液体のこと。この主成分がつまりは塩化マグネシウムとなります。

また、実は「にがり」にも2種類あります。ひとつは、海水から塩を除いたもの、もうひとつはその「にがり」からさらに余分な成分(塩化ナトリウムや塩化カリウムなど)を除去したものです。前者は一般に「天然海水にがり」、後者は「粗製海水塩化マグネシウム」などと呼ばれます。表示上はそれぞれ「にがり」として記載することができます。

塩化マグネシウムは水に溶けやすく、豆乳の凝固反応が早い点が特徴です。そのため、投入するタイミングが非常に重要で、技術を必要とします。味の特徴としては、大豆の甘味をしっかりと引き出せるということがあります。

塩化カルシウム

塩化カルシウムも、もともと海水に含まれている成分のひとつです。しかし、豆腐を作る際にこれを用いると「味が落ちる」と言われており、油揚げや凍り豆腐といった加工品に使用されるケースが多く見られます。塩化カルシウムも水に非常に溶けやすく、たんぱく質を固める力が強いという特性を持っています。

硫酸カルシウム

硫酸カルシウムは「澄まし粉」とも呼ばれる豆腐用凝固剤です。水に溶けにくく凝固する力も比較的弱いため、豆腐を作りやすいのが特徴です。ゆっくりと固まるため、みずみずしく滑らかな豆腐が出来上がります。硫酸カルシウムは石こうから作られますが、現在では化学合成されたものが多く出回っています。

ちなみに、どうして硫酸カルシウムが豆腐作りに用いられるようになったかというと、第二次世界大戦中に「にがり」の代替品として普及したのがきっかけです。にがりに含まれるマグネシウムや臭素から軍事物資(ジュラルミンなど)を作ることができたため、第二次世界大戦ではにがりが軍事目的で調達されました。にがりが不足した結果、にがりの代わりに硫酸カルシウムが使われるようになったのです。

グルコノデルタラクトン

でん粉から作られている凝固剤「グルコノデルタラクトン」は、水に均一に溶けます。グルコノデルタラクトンで作った豆腐は滑らかに仕上がるので、絹ごし豆腐に向いています。

これまで紹介してきた3つの豆腐用凝固剤が塩凝固(マグネシウムやカルシウムなどによる塩類がたんぱく質と結合する反応)であるのに対して、グルコノデルタラクトンは酸凝固による凝固反応を起こします。グルコノデルタラクトンを豆乳に入れたとき、グルコン酸が発生し凝固が起こるという仕組みです。

まとめ

豆腐の凝固剤にはそれぞれ特徴があり、使い勝手や出来上がった豆腐の風味にも違いがあります。豆腐用凝固剤は食品表示が義務付けられています。スーパーなどで豆腐を買う際には表示をチェックしてみると、どの凝固剤が使われているかが書かれています。意識してみると、豆腐をまた違ったふうに楽しむことができるかもしれません。

美盛のオホーツクにがり 

参考: