豆腐のおいしさを決めるもの~大豆の種類から温度管理まで

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スーパーなどの豆腐売り場ではたくさんの豆腐が並んでいます。木綿や絹といった分類だけではなく、食感や味わいはもちろん、見た目ひとつをとっても豆腐は千差万別で、それぞれの特徴をもっています。では、豆腐の風味やおいしさは何によって決まるのでしょうか? ここでは豆腐を作るための材料や製造方法に着目し、材料や工程の違いが豆腐の個性にどう影響を与えているのかを紹介します。

豆腐の味わいを決める~大豆の種類と豆乳の濃度と水

豆腐の味わいは大豆の種類や、大豆から豆腐を作る過程でできる豆乳の濃度によって変わります。

大豆の種類と味わいの特徴

豆腐は原料となる大豆の種類によって大きく味が異なります。豆腐に使われる代表的な大豆をとりあげ、種類による味わいの違いをご紹介しましょう。

  • トヨマサリ・・・北海道最大の生産量を誇る大豆銘柄です。トヨマサリは豆腐のおいしさの指標のひとつである、ショ糖の含有率が他の大豆と比較して高いのが特徴。甘みのある、風味豊かな豆腐を作ることができます。
  • フクユタカ・・・九州を代表する大豆銘柄のひとつで、豆腐の加工適性に優れています。タンパク質の割合が多いので、フクユタカを使用すると、あっさりとしながらも濃厚な豆腐に仕上がることが特徴です。
  • エンレイ・・・フクユタカと同じくタンパク質の割合が多く、豆腐加工適性に優れた品種の大豆です。高タンパクの大豆は豆腐を作る際に固まりやすいという特徴があり、エンレイは食べ応えのある豆腐を作るのにより適しています。
  • カナダ産・・・タンパク質の割合が高く、コクのある味わいが特徴です。豆腐加工適性とコストパフォーマンスに優れ、少量の大豆から多くの豆乳を作ることができます。輸入されている食用大豆のなかでは、カナダ産大豆が一番人気のようです。

木綿と絹の違いは~豆乳の濃度と作り方

豆腐は豆乳の濃度や作り方の違いによって味わいや食感が変わります。では、木綿豆腐と絹豆腐にはどんな違いがあるのでしょうか。

  • 木綿豆腐・・・豆乳ににがりを入れて固めた後、圧力をかけ水分を抜く工程を加えることで味の濃い、しっかりとした食感の木綿豆腐が完成します。水分を抜くことでタンパク質やカルシウム、鉄分が圧縮され、絹豆腐と比べて2割程度多く含まれています。
  • 絹豆腐・・・一般的に木綿豆腐よりも絹豆腐のほうが、濃い豆乳を使って豆腐を作ります。絹豆腐は豆乳ににがりを入れてそのまま固めたものです。そのため水分を多く含んでおり、なめらかな食感に仕上がります。

軟水?硬水?豆腐作りに適した水とは

豆腐は80%以上が水で構成されています。そのため、豆腐作りの際に使用する水が豆腐の味わいや仕上がりに大きく影響します。
カルシウムがたくさん含まれている硬水は、大豆のタンパク質と結合して豆腐が固くなってしまう傾向があり、一般的に豆腐作りには硬水よりも軟水のほうが適しているといわれています。ヨーロッパの水を比較すると、日本の水は軟水なので、豆腐作りにより適しているといえるでしょう。

大豆と水をサポート~豆腐の添加物

豆腐は大豆と水からできるシンプルな食材ですが、その工程のなかで大切な役割を担うのが添加物です。「添加物」に悪いイメージを持つ人もいますが、豆腐にとっては豆乳が固まるための大事な要素。豆腐を作る際に使用する代表的な添加物とその役割を紹介しましょう。

凝固剤~豆乳を固めて、大豆の味を引き出す

豆乳に入っている大豆のタンパク質が固まることで、豆腐ができます。固める際に使用する添加物が「凝固剤」です。凝固剤として代表的なものに、「にがり」と呼ばれる塩化マグネシウムがあります。塩化マグネシウムは海水から塩を作る際にでき、ミネラルを多分に含むものです。
凝固剤は他にも硫酸カルシウムや塩化カルシウム、グルコノデルタラクトンなどが主として使用されています。

消泡剤~きれいで食感のよい豆腐を作る

大豆から豆乳を作る工程のなかで発生する泡を消す役割をする添加物が消泡剤です。泡をそのままにしてしまうと、見た目がきれいに仕上がらないだけでなく、食感や、日持ちにもあまりよい影響がありません。豆腐を見た目も味もおいしくするためのサポートが消泡剤の役割です。

温度管理が決め手!~おいしいを作る温度

豆腐を作る際に、滑らかさや硬さのポイントとなるのが温度管理です。シーン別に注意点を紹介しましょう。

豆乳を作るときの注意点

最初のポイントは、大豆を加熱し豆乳を作る際の温度管理。厚生労働省が定める「食品、添加物等の規格基準」により殺菌のため、豆乳を作る際は、沸騰状態で2分間の加熱が必要です。焦げつかないように注意しながら過熱調整し、じっくり仕上げます。

にがりを入れるときの温度管理

そして豆腐のおいしさを左右するのがにがり(凝固剤)を入れるときの温度です。理想は75℃~80℃。この温度より低いとうまく固まらなかったり、反対に高いと硬くなってしまったりすることになってしまいます。

豆腐のおいしさを決めるもの~シンプルで奥深い豆腐の世界

豆腐は大豆と水からできるシンプルな食材です。だからこそ大豆の種類や添加物、作り方の工程の違いや温度管理によって味わいが変わってきます。シンプルだけれども奥深い、豆腐の秘密を知ることで、身近な食材「豆腐」をより楽しむことができるといいですね。

 

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