訪日外国人が急増中!インバウンド向けホテル・外食業界の対策とは

訪日外国人が急増中!インバウンド向けホテル・外食業界の対策とは

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インバウンド、つまり日本を訪れる外国人観光客の数はここ数年で急増しています。JNTO(日本政府観光局)の統計によると、インバウンドはまもなく3,000万人を突破し、近い将来4,000万人台に迫る勢いです。2020年には東京オリンピックを控え、まだまだ増え続けるでしょう。このような状況は、飲食店にとっても大きなビジネスチャンスです。しかし、実際に外国人旅行客をお店に呼び込もうと考えても、「具体的に何をすれば良いかよく分からない」という方も多いのでは。そこで今回は、2020年に向けて外国人旅行客の集客を狙うホテル・外食業界が、どのような対策を行うと効果的か解説しましょう。

IT化に対応する

インバウンドで訪れた日本語の分からない外国人にとって、情報収集のカギとなるのがインターネット。旅行先でもスマートフォンやタブレットなどは手放せません。このようなニーズに対応するためにも、ホテルや飲食店側が環境を整備しておくことが望ましいといえます。

グローバルな旅行系口コミサイトへの登録

外国人がよく旅行前の情報収集に利用するのが「口コミサイト」です。そのため、口コミサイトへはできるだけ登録するほうが良いでしょう。ただ、旅行系口コミサイトは世界中に多数存在するため、すべてに登録するのは現実的ではありません。「トリップアドバイザー」や「Yelp」など、世界的に利用者が多いサイトを中心に登録しておくと効果的でしょう。

Wi-Fiの設置

インバウンドの外国人が日本でインターネットをする手段はいくつかありますが、特別な機器が必要だったり、コストが高かったりするもの。そんななか、無料Wi-Fiスポットは手軽にインターネットが可能なため、外国人にとっては大変うれしい環境です。外国人旅行客の困ったことで、無料Wi-Fi環境の少なさを挙げる声は多いです。利用者の満足度を高めるためにも、無料Wi-Fi環境を設置しておくべきでしょう。

クレジットカード対応

外国人旅行客にとっては、慣れない通貨を使うのも一苦労。そのため、支払い時に面倒なやりとりを省けるクレジットカード決済を好む人も少なくありません。お店を手軽に利用してもらうためにも、クレジットカード決済に対応させておくのがおすすめです。そのほか、世界で普及している電子マネーやQRコード決済なども検討しておく価値があります。

外国語に対応する

日本を訪れる外国人にとって「言葉の壁」は大きなものです。この壁を低くするために、お店側にできることをご紹介しましょう。

多言語のメニュー表や解説

例えば料理の場合、見た目は写真があれば分かりますが、味を想像するためには食材や味付け、調理方法などの情報が必要です。また、お店によってオーダー方法や支払い方法が異なります。この辺りが把握できないと、インバウンドの外国人にとって「利用しにくいお店」になるかもしれません。英語・中国語・韓国語などをはじめ、多言語に対応したメニュー表や解説があれば外国人も安心です。

Webサイトの多言語対応

インバウンドの外国人が情報収集するのは口コミサイトだけではありません。良さそうなお店があれば、そのお店のWebサイトもチェックする可能性は高いでしょう。そのWebサイトに掲載している情報が多言語対応していれば、外国人にとってはより親切に感じるはずです。

外国語やWebに強いスタッフの採用や育成

トラブルが起きたときなど、場合によっては直接話を聞けなければ困ることがあります。そういった際、外国語を話せるスタッフがいれば便利です。さらにインターネットにも強ければ、外国語メールの対応やWebページ管理も任せられます。外国人客が多いお店は外国語やネットに強いスタッフの確保を検討してみてください。お客さまと直接コミュニケーションを取ることができるなら、それに越したことはありません。

ミスマッチをなくす

情報を伝えるのは文字だけではありません。むしろ、いくら解説したところでイメージが湧かなければあまり意味がないといえます。できるだけミスマッチを生まないためにできることをご紹介しましょう。

写真付きメニュー

飲食店の場合は特に、料理をイメージするためにもメニュー表に写真が欲しいところです。すべて載せることができなくても、主要なメニューの写真は載せておくことをおすすめします。もちろんWebサイトには、できるだけ多くの写真を載せておきたいところですね。

食品サンプル

メニューの写真よりもさらに分かりやすいのが、実物を模した食品サンプルです。お店の前を通りがかったインバウンドの外国人が、店頭の食品サンプルに目を引かれて立ち寄ることも珍しくありません。呼び込み効果だけでなく、ミスマッチの防止につながる食品サンプルはおすすめです。

ターゲットの明確化とニーズへの対応

外国人と一口にいっても、国や文化はさまざま。飲食店として成功させるためにも、ターゲットの明確化とニーズへの対応が大切になるでしょう。例えば、戒律の厳しいイスラム教徒をターゲットにする場合には、イスラム法において合法の証である「ハラール認証」が必要です。
また、豆腐や刺身など、ヘルシーなイメージの強い和食は、外国人の女性客にも大変人気。訪日外国人は「日本文化」を知りたくて訪れている人が多いです。和食はユネスコ無形文化遺産に登録されたことで全世界から注目が高まっています。インバウンド向けのメニューを開発するなら、和食をおすすめします。

大切なのは「おもてなしの心」

ホテルや飲食店の努力によってインバウンド向けの環境を整備し、利用しやすくすることは可能です。しかしながら、そればかりに目を向けていてはいけません。環境整備より大切なものが、外国人旅行客が何を求めて、何に困るのかを考える「おもてなしの心」です。言葉は分からずとも、笑顔を忘れず親切な接客を心がけていれば、言葉の壁を超えて気持ちが伝わるというもの。環境だけ整えても、それを見失っていてはリピーターが訪れず、口コミサイトの評判も悪くなるでしょう。ぜひ外国人旅行客が「このお店を利用して良かった」と思えるよう、おもてなしの心を持ったお店づくりを目指してください。

参考: