問題山積み?外食産業の現状と今後の可能性

問題山積み?外食産業の現状と今後の可能性

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訪日外国人の増加や和食ブームの影響などにより、盛り上がりを見せる外食産業。一方で、人手不足や原材料価格の高騰など、事業経営を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。このまま行くと、果たして外食産業はどうなってしまうのでしょうか。今回はそんな、外食産業の現状と今後について解説します。

外食産業の現状

まずは、外食産業の現状についてご紹介しましょう。政府のデータでは、外食の活動指数が3期連続で上昇しています。特にディナーレストランの利用客は、ここ数年右肩上がり。一方、ファーストフード店はマイナスであるものの、その幅は縮小傾向です。また、客単価については両者ともに上昇傾向にあります。

外食産業は盛り上がっている

これらの統計データを総合的に分析すると、結論としては「外食産業は盛り上がっている」といえるでしょう。したがって、新しく飲食店をオープンするタイミングとしてはちょうど良いのかもしれません。ただし、外食産業は大きな問題を抱えているのも事実です。次は、外食産業の問題点についてご紹介しましょう。

外食産業を取り巻く状況と問題点

外食産業の問題には、社会全体の動きが深く関係しています。そのため、まずは外食産業を取り巻く社会の状況について解説しましょう。

  • 人口動態の変化

日本は近年、急速に少子高齢化が進んでいます。飲食店にとって若年層は、大事な働き手でもあり、利用客でもある年代です。つまり少子高齢化が進むということは、外食産業の衰退を意味します。しかし、冒頭で解説したように業界全体としては盛り上がっていますね。これは、人口動態の変化をものともしないほどの盛り上がる要因があるということでしょう。

  • インバウンドの増加

外食産業が盛り上がっている要因として考えられている理由の一つが「インバウンド(訪日外国人)の増加」です。訪日外国人はここ数年、急速な勢いで増加しており、街の飲食店では外国人観光客の利用者が増えています。

外食業界が抱える問題点とは?

次は、これらの状況を踏まえたうえで、外食業界が抱える問題点についてご紹介しましょう。

  • 人手不足の問題

特に深刻な状況になっているのが、人手不足です。飲食業界は、ただでさえ担い手が少ない状況に加え、激務であるところも多く、なかなか定着しにくいといえます。人が減るとますます働いている人の負担が増え、じっくり教えていく余裕もなくなり、どんどん悪化しているというところも珍しくありません。人手不足は、外食業界へ参入するなら避けては通れない問題です。

  • 原材料価格の問題

食品の原材料は自然のものですから、気候の影響も受けやすく、なかなか安定供給は難しいのが実状です。また、食料自給率は4割以下の日本では、原材料を輸入に頼らざるを得ないことも多々あります。輸入品の場合、その国の状況はもちろん、為替の変動によってもコストが変化するため、さらに不安定です。飲食店を経営する場合、原材料の供給先についても考えておく必要があるでしょう。

今後の外食産業の可能性

最後に、外食産業の今後について解説します。外食産業では今後、深刻化していく課題をどう克服するかがポイントになるでしょう。特に人手不足については、少子高齢化の流れを止めるのは難しいため、別の方法で解決するしかありません。つまり、少ない人材で食材の生産・配送・調理を行っていかなければならないということです。

技術進歩がカギ?

近年、外食業界で注目されているのが、機械化やシステム化による人手不足の解消です。例えば、ある回転寿司チェーンでは、寿司の調理、提供、オーダー、会計などに専用の機械やシステムを導入しています。そして、実際にこれらの施策で効率化に成功し、売上を伸ばしているのです。

「和食」が増えていく?

外食産業が盛り上がっている大きな要因は、訪日外国人の増加です。そして、訪日外国人が求めている食べ物は和食であることが多いといえます。したがって、今後どのジャンルの外食が増えていくかというと、やはり「和食」になるのではないでしょうか。

外食業界は転換期を迎えようとしている

訪日外国人が増えている状況は、日本の経済を考えると嬉しい状況ではあります。しかしながら、このまま増加し続ける保証もありませんし、何より人手不足の問題が深刻です。ここを根本的に解決できなければ、外食産業はいつ廃れてもおかしくないでしょう。外食業界は今まさに、転換期を迎えようとしているのかもしれません。

参考: