旅館やホテルでのワンランク上のおもてなし、飲食店でどう活かす?

旅館やホテルでのワンランク上のおもてなし、飲食店でどう活かす?

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旅館やホテルでは当たり前のようにおもてなしがされ、食事だけではなく、滞在期間を心地よく過ごしてもらおうとさまざまな工夫のうえで、丁寧な接客がなされています。そこで、飲食店でも食事のサービスだけにとらわれない、快適な空間の提供を考える必要があります。旅館やホテルの接客を取り入れることで、食事をする時間そのものを楽しんでもらえるよう工夫をするための考え方について紹介していきます。

おもてなしについて

東京オリンピック・パラリンピック誘致の際、「おもてなし」という言葉が話題になりました。2020年のオリンピック開催地を決めるIOC総会において、滝川クリステルさんがプレゼンテーションのスピーチで述べた言葉が話題となりました。滝川さんは、日本語での「おもてなし」について、「見返りを求めないホスピタリティの精神」と説明し、おもてなしは先祖代々受け継がれながら、現代の日本の文化にも深く根付き、いかに日本人が互いに助けあい、お迎えするお客様のことを大切にするかを示しています。

おもてなしの語源

「おもてなし」の語源は2つあります。一つ目は「もてなす」という動詞に「お」を付けた名詞で、モノを持って成し遂げるという意味で、モノとは物だけでなく気持ちも含まれており、お客様に対する待遇のことをさしています。もう一つは、「裏がない」から「表もない」=「おもてなし」、つまり見返りを求めずお迎えすることを指しています。旅館でもホテルにおいても「おもてなし」の心得が徹底されています。

宿泊業でのおもてなしについて

旅館やホテルでは相手のことを考え、お客様の滞在がより良いものとなるため、さまざまなおもてなしがされています。実際にどのようなおもてなしが行われているのでしょうか。

旅館でのおもてなし①

旅館へ行くとまず、おかみさんや中居さんが玄関口でお客を待ち、荷物を持って中へ誘導してくれます。丁寧な言葉使いと所作が印象的です。このお出迎えがあるのとないのとでは旅館に対する印象が変わってきます。気持ちのいいお出迎えは、旅館ならではといえます。

旅館でのおもてなし②

部屋へ通されると、仲居さんから館内説明があり、お茶と茶菓子を勧められます。旅館といえばまずは温泉ですよね。空腹のまま熱い温泉につかると血糖値が下がってしまうため、甘いお菓子とお茶で血糖値を上げてもらうことが目的です。宿泊者に気持ちよく過ごしてもらうためにしっかりと行き届いた配慮がなされています。

ホテルでのおもてなし①

最近は特に訪日外国人の増加に伴いホテルを利用する外国人が増えてきています。ホテルでは、英語だけでなく、中国語や韓国語などにも対応し、外国人観光客のために周辺マップも外国語表記のものを用意しています。

ホテルでのおもてなし②

宿泊者に気持ちよく滞在してもらうため、美味しい飲食店、おすすめの観光地、必要があればタクシーを呼ぶなど、滞在期間に宿泊者に不自由がないようその都度、情報を提供し対応しています。

飲食店でのおもてなしを宿泊業から学ぶ

上記で紹介したように、旅館では相手のことを最優先に考えたおもてなしがされています。これを参考にして、飲食店ではどのようなおもてなしが必要とされ、また活用できるかについてかんがえてみましょう。

多様性を意識した対応

外国人観光客に向けた食事についていえば、例えば、宗教に合わせた食事の提供が考えられます。イスラム教の方たちは豚肉やアルコールの摂取を避けたいと考える人が大半です。そのため、場合によってはメニューの変更に臨機応変に対応する必要があります。同じようにアレルギーに対応したメニューの表示なども考えられます。他にも、障がい者に配慮したバリアフリーの店舗設計にするといったことが挙げられます。そういった背景もあり、多様な価値観にも対応できるような柔軟さが求められる時代になっています。

外国語表記について

外国語表記のメニューを用意している飲食店はまだ少ないかもしれません。メニューを外国語表記にするだけでなく、写真をつけておけば、日本料理が理解できない外国人にとってよりわかりやすいメニューとなります。少しの工夫でさらに気持ちよく過ごしてもらうことができるよう配慮することが大切です。

お客様の満足度を高めるための「おもてなし」

今、飲食店に求められているものはおいしい料理の提供だけではありません。お客様が気持ちよく食事をすることができ、有意義な時間を過ごしていただけるよう配慮することが求められています。そのためにも「おもてなし」を心がけることがより大切です。


参考:

「おもてなし」の意味と語源・サービスとの違い・流行語の経緯|Mayonez
東京オリンピック・パラリンピックで進む、日本の「おもてなし」の真髄とは?|exciteニュース
2020年の東京オリンピックに向けた「おもてなし」とは?|ライブ通訳